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ネタバレ 部屋

主に映画のネタバレと感想を好きなように書くブログです。

マジカル・ガール Magical Girl(2014) ネタバレ

サスペンス ヒューマンドラマ

 

予告編観て、シュールな楽しい映画かな~と思っていたらハイパー不条理映画だった。予告編のコミカルな雰囲気とは違い、終始くそ真面目な群像劇です。特にラスト15分くらいで唐突に突き落とされる。鬱エンド。ううう、女の子・・・。

これだから日本の宣伝や配給会社の触れ込みはアテにならない!!ムキ―!!

でも、面白かったんだなー、これが。監督の長編デビュー作ってんだから驚き。次回作が本当に楽しみでござんす。

 

以下、ネタバレ

日本のアニメに没頭する白血病の12歳の少女は、失業中の父と2人暮らし。余命いくばくもない。

少女の夢は、①誰にでも変身できる魔法を使えるようになること。②魔法少女ユキコのコスチュームを着て踊ること。③13歳になること。

彼女の夢が書かれたノートをたまたま見た父は、魔法少女ユキコのコスチュームをネットで探す。あっさり見つけるが、プレミアが付いてて、その額おおよそ7千ユーロ=90万円!!

何とかして買ってあげたいが、失業中で到底買えないので、家にある本を売ったり、友達のところに無心に行ったり・・・。全然お金が集まらず、消費者金融に融資の電話をするも断られ、何かが切れた父は、以前見かけた宝石店に強盗に行こうとする。

宝石店のショーウィンドウの前に立ち、ガラスを割ろうとする。その時、上からゲロが落ちてきて、浴びるw

ゲロの主は、その階上に住むメンヘラの美人主婦(家事は夫任せなので厳密にはパラサイト)。その日、精神科医の夫に渡された安定剤を飲まず、日中に粗相をしたことで、夫に捨てられて深酒をしていた。

少女の父に謝罪し、家に上げてシャワーを浴びさせる美人主婦。美人主婦は寂しさから少女の父を誘い、ことに及ぶ。

翌朝目を覚ますと、少女の父は帰っており、ダイニングには夫が戻っていた。夫は、もう一度やり直したいと。そこへ少女の父から美人主婦へ電話が。

「不貞行為の現場は、携帯に録音している。夫にバラされたくなければ、7千ユーロ用意しろ。」

メンヘラで夫に依存している美人主婦は、仕方なくその要求を飲む。

美人主婦は、実はかつて高級M譲だった。足を洗った(正しくは逃げた)が、お金を揃えるために仕事を斡旋している女性の元へ行き、一日で7千ユーロ稼げる大きな仕事を貰う。

仕事先の豪邸でトカゲのシルエットが描かれた謎の部屋を見かけただならぬ何かを感じる。美人主婦は別の部屋に通され、お金を稼ぐ。

稼いだお金は、少女の父の指示通り、図書館の憲法の本の背表紙に隠し、元の本棚にもどす。

無事お金を手にした少女の父は、コスチュームを買うことができた。

しかし、コスチュームを見た少女は何か物足りない様子。ハートのロッドが足りなかったのだ!!父はすぐさまネット検索。ロッドの額、2万ユーロ!!!!!

少女の父は、再度美人主婦を恐喝。美人主婦は2万ユーロ稼ぐ仕事を紹介してくれと斡旋の女性に頼むが、無理だと断られる。

トカゲの部屋に入れば稼げると踏んだ主婦は、豪邸の者に直接トカゲ部屋に入れてくれと頼み、承諾を得る。

トカゲ部屋に入る美人主婦・・・。

 

美人主婦の学生時に数学を教えていた教師は、何かの罪(作品内で明示されない)で刑務所に入っていたが、出所する。だが、シャバで美人主婦に再会することを酷く怖がっていた。

ある日、アパートに帰ると、階段で重傷を負っている女性が倒れている。それは、トカゲ部屋帰りの美人主婦!!家に運び救急車を呼ぶ。美人主婦は数学教師に2万ユーロを背表紙に隠した憲法を図書館に返すように頼み運ばれていく。

翌日、本を返した後、病院に呼ばれ美人主婦と面会する。そこで美人主婦は、少女の父に強姦されたと嘘を吐き、数学教師に復讐代行を促す。

刑務所で知り合った友人に、銃を用意してもらう。

数学教師は少女の父を尾行し、父がバーに入ったところで接触。

美人主婦の名前を出し、ビビらせたところで、数学教師は「もう人を殺して刑務所に入る年齢じゃない。だから、この銃で私を撃ち殺せ。そして、お前を刑務所に入れる。」と。

しかし、よくよく話を聞くと、数学教師と父の話が噛み合わない。

ここで、強姦ではなく恐喝だったということが発覚。しかも、寝たのは美人主婦からの誘いだったことも分かり、数学教師ご乱心。

少女の父を撃ち殺す。ついでに、バーにいたやつ全員を撃ち殺す。

不貞現場を録音してある携帯を探しに少女と父の家に侵入。コスチュームを着てロッドを握った少女と遭遇。・・・なんと、少女も始末する。顔見られたから?

その後、病院に戻り、美人主婦に、復讐完遂を報告して幕引き。

 

感想

むー!不条理!冒頭にも書きましたが、予告編からじゃ何も読み取れない!汗

かと言って、作品からも全容は読み取れない。

これ、わざわざ読み取れないようにしてるようです。不明なことが多すぎる。

シングルファザーになった経緯とか、数学教師の犯した罪とか、数学教師と美人主婦との間の過去とか、夫は妻の体の傷を知らないのかとか。私の中で一番の謎は、なぜ片っ端から殺したのか。

想像することを煽っているのだな。で、想像してもわかんねーやってなるのを望んでいる感じ。笑

 

ここから私の解釈ですが、

悲劇起こった理由は、父が失業中だからとか、スペインの経済情勢とか、少女の医療費が高いとか、もっと言えば病気のせいだとか。人を責めるのであれば、父の浅はかさだったからとか、美人主婦が夫を欺いてたからね。でも、登場人物のバックグラウンドがほとんど見えないから一概に誰が何が悪とも言えない。

数学教師の美人主婦に対する献身やラストのご乱心の原因は過去にあるっぽいし、その過去の″何か″の発端は若かりし美人主婦の授業中のおふざけみたいな描写もある。

あれ、すると、美人主婦が蒔いた種?でも、もともとの数学教師の精神性にも問題ありそうな・・・。

つまりね、いろいろ書いたけど、世の中の悲劇に確固たる原因なんてないんですよ。日ごろ、ニュースやワイドショー見ていると、事件についてコメンテーターが勝手に結論付けていて、ただの結果論なのに何も考えてないとそれが答えだと思ってしまう。怖いですね。思考停止。

でも、思考しても事象の原因なんて突き止められません。当事者ですら、どうしてこうなったかわかってないと思います。だって数多の事象はあらゆる方向からやってくる影響力が引き起こしているんですから。

誰が悪いとか、ああしとけば防げたとか、そんなの結果論でしかなく、物事が起こるには本当に数え切れないほどの要因があるってことなんですね。数学の証明みたいに説明できないんですよ。(なるほど、数学教師ね・・・)

だから、この映画は、多く語らず、結論付けられないし、訳わからない展開なんだ。それが現実なんだ。

哲学じみててごめんなさい。

 

数学教師の犯した罪ですが、監督自身曰く、特に設定してないらしいです。笑

観た人に、グロテスクな想像をしてもらいたいんですって。性格が素晴らしい!!

 

作品の章立てが、カトリックの教えになぞらえている。世界、悪魔、肉欲・・・。

これら、人間をダメにするものなんですって。この作品の中で起こったことの答えは神しか知り得ないからね、神の視点なんでしょうね。

 

その他の特筆

鏡が割れたりパズルが完成できなかったりが効果的。

少女の父から出るサブカル臭。そっち系の俳優か?

少女が可愛い。

長山洋子のデビュー曲。